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 今回のようにフューエル・インジェクタの先端部が汚れる原因を考えてみると、他メーカーのエンジンでも同様の状態になっている事について、共通事項がある。
 それは『エンジンオイルの入れ過ぎ』である。
 レベルゲージの「H」ラインよりも、10mm程度上まで入っているものがほとんどである。
 エンジンオイルを入れ過ぎると、クランクアームによってかき回されたオイルが、クランクケース内のブローバイガスと一緒にインテークマニホールドに導かれ、それがスラッジ類と混じってフューエル・インジェクタに付着して、噴射量が減少するのである。
 エンジンオイルのメンテナンスは、整備工場以外でも気軽におこなわれる作業であるが、オイルタンクから計量するのではなく、4r缶を使用する場合にあっては、残さないようにかどうかは知らないが、入れ過ぎてしまうのが実情のようである。
 中には、「どうせオイル消費するんだから、余分に入れたほうが…」などという輩も居るが、それは根本原因から直すべきである。
 プロのメカニックである以上、『自らの手でトラブル原因を作ってはならない』のである。
 『過ぎたるは及ばざるが如し』の典型的事例である。

《技術相談窓口》


噴孔(10ホール)部がスラッジ類で汚れていた。
※この写真は洗浄後のもので、洗浄前は噴孔が見えないほどに汚れていた

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