そこで、この車の資料を調べてみると、図2のような回路になっていた。
ワーニング・ランプはエンジンECUで制御しており、また、オルタネータの端子はそれぞれエンジンECUに接続されていた。
ECUからのD端子電圧(実際にはON,OFFの割合を変えるデューティ信号)により、オルタネータ内のパワートランジスタをON,OFFさせ、それにより発電量が変化する。発電した電圧をP端子からECUへ入力し、ECUがチャージランプを制御するというものである。
よって、キースイッチONでは、P端子、D端子ともに0Vであり、エンジン回転中は充電の必要に応じた電圧がD端子に出力され、発電量に応じた電圧がP端子に出力されるといったものである。
エンジンを始動してそれぞれの電圧を調べると、最初だけD端子が数ボルトでP端子は0Vであった。
オルタネータ側の問題なので、フィールドコイル、ステータコイル、ブラシ等を調べて問題なかったので、パワートランジスタを交換して完治した。
今までのオルタネータは、バッテリ電圧をある範囲に保つために、フィールド電流をICレギュレータが制御していたが、このタイプのオルタネータは、吸入空気温度、エンジン回転数、車速から目標となるバッテリ電圧になるよう、フィールド電流をECUが決定している。
よって、目標発電電圧が大きい時や、充電系の不良時はアイドル回転が高くなることがある。
また、充電系が不良の場合は当然だが、吸気温センサ異常時にもオルタネータ・ワーニング・ランプが点灯する。
このように、最近のエンジンはいろんなシステムを総合的に制御することが多くなったので、関係ないと思われるところが原因だったりすることが出てくるのでそのシステムを知ることが重要になってくる。
いつもながら思うことは、変化するシステムの情報を得ることが、いかに大切かということである。
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