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2009年3月
「メータ」ヒューズと燃料ポンプ
 10Aの「メータ」ヒューズが時々切れるという平成6年式トゥデイ(車両型式E−JA4,エンジン型式E07A)のトラブル事例を紹介する。
  ヒューズが切れる原因というと、配線のショート、ユニットやモーターなどの内部ショートが一般的である。
  しかし、時々しか発生しないとなると、原因の特定は難しいことが多い。事故の時に配線にダメージを受け、それがボデーとショートしたり、市販品の後付け用品を取り付けた時に、配線の取り回しが悪くボデーと接触した配線の被覆が破れたりすることがあるので、それらを注意深く点検した。しかし、大きな事故修理をしたような形跡もなく、後付け用品もなかった。
  こうなると「メータ」ヒューズに繋がる負荷を調べないといけないが、症伏が出ない状態での不具合部品の特定は困難である。
  どうしたものかと悩んでいたら、エンジンがかからなくなってしまった。
  まずはエンジンがかからないことを修理しないといけないので、エンジンの基本点検から実施することにした。
  すると、燃圧が0kg/cm2だったことがわかった。
  フューエルポンプの作動音がしなかったので、通電状態を調べたが、バッテリ電庄はかかっておりアースも問題なかった。
  フューエルポンプ自体の不良だと判断し交換した。
  交換後はポンプも回りエンジンも始動できたので、ヒューズが切れるトラブルの作業を再開した。
  事故歴も後付け用品も無く、ショートしそうな箇所の絞り込みはできなかった。
  コンビネーションメータを外し、基盤や配線を調べたが、こちらも特に問題がありそうな所はなかった。
  こうなると「メータ」ヒューズの、コンビネーションメータ以外の負荷を調べ、それらの配線をゆすってみるか目視による点検しかない。
  回路図を見て、このヒューズが何に接続しているかを調べると、あることに気がついた。
  それは、この回路図の[4]の「メータ」ヒューズが、メーンリレーを経由して燃料ポンプの電源ヒューズになっていることである。
  この「メータ」ヒューズが時々切れることと、そのヒューズを通った電流が流れるフューエルポンプが回らなかったことは、ただの偶然であろうか。
  フューエルポンプの電源、アースがよくて作動音がしなかったということは、ポンプのロックに違いない。
  通常、フューエルポンプに流れる電流は5A前後だが、ロックしている場合はかなり大きな電流が流れるはずである。
  ポンプの電流にプラスしてメータや他の負荷の電流が加われば、このヒューズが切れても不思議では無い。
  配線類に異常が見つからなかったし、配線類をゆすってもヒューズが切れることがなかったので、フューエルポンプが原因で、「メータ」ヒューズが切れたものと推定した。
  その後、数ヶ月経過したがヒューズが切れることはなかったようである。
  また、その間、この「メータ」ヒューズが切れて、エンジンがかからなかった事例は、問い合わせを含めて数件あった。
 
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