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2012年9月
30系プリウスに関する作業上の注意点パートII

先月号では次の30系プリウスの整備作業のうち「1.ブレーキフルード交換作業」と「2.制御禁止モードヘの移行方法」について紹介しましたが、今月号では残りの作業について紹介します。

1.ブレーキフルード交換作業

2.制御禁止モードヘの移行方法

3.ブレーキフルード車上点検

4.ダイアグノーシスの点検方法

5.ダイアグノーシスコードの消去方法

6.整備モードヘの移行方法

7.その他の注意事項

※1と2については8月号で紹介済み


3.ブレーキフルード量点検

@ブレーキペダルを踏まずにプッシュスタートスイッチを2回押し、IG ON にする。(シフトポジションがP レンジであることを確認)

AIG ON の状態でブレーキペダルを4、5回操作し、一旦ポンプモータを作動させる。

Bポンプ停止後、リザーバのブレーキフルード液面がリザーバの補助ライン(図1)になるようにフルード量を調整する。

※補助ラインはMAXとMINライン間にある。


4.ダイアグノーシスの点検方法

@IG OFF で、運転席にあるDLC3コネクタの4番と13番を短絡。(図2)

Aブレーキペダルを踏まずにプッシュスタートスイッチを2回押し、IG ON にする。

BABS ウォーニングランプ、ブレーキウォーニングランプ、スリップインジケータランプの点滅回数を読み取る。

※ABS ランプはABS システム、スリップインジケータランプはVSC システム、ブレーキウォーニングランプは電子制御ブレーキシステムの異常コードを表す。


5.ダイアグノーシスコードの消去方法

@IG OFF で、運転席にあるDLC3コネクタの4番と13番を短絡。(図2)

Aブレーキペダルを踏まずにプッシュスタートスイッチを2回押し、IG ON にする。

BIG ON 後、5秒以内にブレーキペダルの「踏む・離す」を8回以上行う。

C各ウォーニングランプが0.25秒間隔の高速点滅になれば、消去は完了。(異常が継続している場合は消去できない)


6.メンテナンスモード(整備モード)への移行方法

※以下の作業を60秒以内に行う

@ブレーキペダルを踏まずにプッシュスタートスイッチを2回押し、IG ON にする。(シフトポジションがPであることを確認)

Aアクセルペダルを2回全開まで踏み込む。

B左足でブレーキペダルを踏んだ状態でシフトポジションをN にして、アクセルペダルを2回全開まで踏み込む。

CP ポジションスイッチを押し、シフトポジションをP にし、アクセルペダルを2回全開まで踏み込む。

Dマルチディスプレイに「MAINTENANCEMOOD」と表示されればOK。(表示されなければやり直し。)

Eブレーキペダルを踏んだままプッシュスタートスイッチを1回押してREADY ONにする。

FREADY ランプが点灯し、エンジンが始動すれば完了。(IG OFF にすれば自動的に解除する。)


7.その他の注意事項

ブレーキペダル、ブレーキペダルストロークセンサ、マスタシリンダ、ブレーキブースタ、ブレーキブースタポンプASSY、ヨーレートセンサなどを交換した場合、交換した部品によって、リニア弁オフセット学習、ブレーキペダルストロークセンサ0点学習、ヨーレートセンサ&G センサ0点取得、緊急ブレーキシグナル学習などが必要になり、中には診断機がないと行えない項目があるので注意。


【注意とお願い】

前月号で紹介した、ブレーキ制御禁止モードヘの移行手順は、パーキングブレーキを作動させていないと、移行できませんので注意してください。

また、ブレーキ制御禁止モードヘ移行後、ブレーキフルードの交換作業を行わずに走行しますと、ABS 警告灯が点灯しダイアグノーシスコードC1451とC1345(ランプ点滅によるコード66と72)を表示することがあります。

この場合、ブレーキフルードを交換し、リニア弁オフセット学習を行わないと、異常コードの消去ができません。

ブレーキフルード交換作業以外でブレーキ制御禁止モードヘの移行手順は行わないでください。


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