走行中に警告灯が点灯し「P0401」(EGR流量不足)を出力するという、平成13年式トリビュート(車両型式TA-EPEW、エンジン型式YF)のトラブル事例を紹介する。
EGR コントロールバルブとEGR 制御用VSV は交換しており、EGR 通路も清掃しているがそれでも不具合が発生するという。
この車のEGR は、EGR 制御用VSV でEGR コントロールバルブに負圧をかけることでダイアフラムが作動し、EGR 通路が開くというタイプであった。
アイドル時にマイティバックでEGR コントロールバルブのダイアフラムに負圧をかけ、強制的にEGR を作動させるとエンストすることから、EGR 通路の詰まりはないようにある。
走行中のダイアフラムにかかる負圧をコンパウンドゲージで測定したところ、EGR が作動するようなタイミングで負圧がかかっており、制御も問題ないようにあった。
となると、残るはECU がEGR の作動状況を判定するセンサになる。
この車の資料がどうしても手に入らなかったため手探りで調べていくと、EGR の作動判定に圧力センサが使用されていた。
図1のようにオリフィスの前後の圧力差をセンサの信号電圧に置き換え、ECU に出力するタイプのようだ。
そこでセンサの信号電圧を測定したところ、EGR 作動時、非作動時共に約2.7V であった。
また、センサをEGR 配管から外した状態で圧力差が生じない状況にもかかわらず信号電圧が変化していたことから、センサの不良ではないかと推測された。
センサの基準信号電圧がわからないのでセンサを交換してみないとわからないことを先方に伝えたところ、交換してよいとの連絡をもらえたのでセンサを交換した。
結果は、EGR 非作動時の電圧が約1.1V、EGR 最大作動時の電圧が約3.1V と交換前のセンサに比べ明らかに異なっていた。(図2)このことから、交換前のセンサの信号電圧は、常にEGR が作動しているという信号を出力していたことになる。
センサを交換して試運転を行ったが、もちろん警告灯は点灯しなかった。
今回のトラブルはEGR の作動状況を判断するセンサの不良であったが、「P0401」のトラブルは、「EGR バルブの不良」「EGR 通路の詰まり」が原因のものも多い。
「P0401」が検出された場合はまずEGR通路及びバルブを清掃してみることをお勧めする。
それでも改善されなかった場合に電気的なトラブルを調べるという流れが良いのではないだろうか。
最後に、今回交換したセンサは交換する前のセンサと形状が全く異なっていた(図3)が、トラブルが多いため改良されたものかどうかは不明である。
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