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2013年2月
フィルタという名のつくものは…

助手席の足元がどういうわけか濡れるという、平成11年式ライフ(車両型式GF-JB1、エンジン型式E07Z)のトラブル事例を紹介する。

問診したところ、雨が降っていない日でも濡れるという。特にエンジン停止直後や、エアコンをOFF した後が濡れるようにあるということだったので、フロアマットの一番濡れている周辺を調べてみた。

その結果、どうもエアコンのクーリングユニット内の水抜き用ドレーンホースから水が室内に出てくるようであった。

ドレーンホースが目詰まりしたため、車外に水を排出することができなくなりオーバーフローしたのだろうと思っていたが、ドレーンホースは全く詰まっていなかった。

ドレーンホースに詰まりがないのになぜ水が排出されずにオーバーフローするのだろうか。

ひとまずエンジンを始動しエアコン作動状態でドレーンホースを調べたところ、何故かドレーンホースから室内に向かってエアが吸われている。

エアコンをOFFするとドレーンホースはエアを吸わなくなり、室内に水が溢れはじめた。

どうもエアを吸うことが水漏れにつながっているらしい。

そこで、エアコンのエアの取り込み部等を調べてみると、エアコンフィルタが詰まっていた。

エアコンフィルタを取り外してエアコンを作動させると、水漏れは発生しない。

エアコンフィルタの詰りでブロアファンが送り出す空気が足りず、ドレーンホースからエアを吸いこんでいたようである。

その結果、ブロアファン作動中は水が外に排出されずに溜まり、ブロアファンが停止した瞬間に溜まった水が一気に溢れ出していたということであった。

エアコンフィルタはエアクリーナーやエンジンオイルフィルタに比べ、なかなか点検や交換をするようなものではない。

また、車種により付いているものと付いていない車があるため、なおさら定期的に点検、交換するという習慣がないように感じる。

しかし、フィルタという名がつく以上は、年数がたつと汚れや詰まりを引き起こす原因となる。

また、フィルタが詰まればエアコン作動時の風量が弱くなるため、エアコンの効きが悪くなったと感じるようにもなりかねない。

あまり注目の当たらない部品だが、今回の経験で、定期的な交換を勧め収益アップにつながり得る重要な部品だと痛感した。

最後に、実際には行わなかったが、エアコンを内気循環にしていれば詰まったフィルタを装着していても水漏れは発生しなかったと思われることは言うまでもない。

《技術相談窓口》


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