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2013年9月
機械的部分の点検も必要

車は平成8年式クラウン(車両型式E-JZS130G)で、O/D OFFランプが点滅するというトラブル事例を紹介する。

トヨタの場合、O/D OFFランプが点滅するということは、オートマチックトランスミッションの電子制御部分に異常が発生したということである。

まず、ダイアグノーシスを点検するとコード42(車速センサー1系)を表示。

このクラウンのオートマチックトランスミッションのECUには、2つの車速センサー信号が入力されている。

1つはミッション本体の車速センサーから直接入力されている車速センサーbQ信号と、もう1つはコンビネーションメータから入力されている車速センサーbP信号である。

また、スピードメータには、トランスミッション本体にあるスピードメータ用の車速センサーから信号が入力され、その信号を基にスピードメータを駆動し、同時にメータからは車速センサーbP信号をATのECUに入力するようになっている。(図1)

走行してみると、O/D OFFランプが点滅することよりも、スピードメータが作動していないことのほうが気になった。

また、オド・トリップメータも動いていないことがわかった。

スピードメータとオド・トリップの両方が作動しないということは、コンビネーションメータを動かす元の信号がきていない可能性が高い。

車をリフトアップし、メータ用の車速センサーの信号を点検するためにプロペラシャフトを回したが信号が変化しなかった。

この車速センサーの不良だろうと思い、部品を注文しようと思ったが、ミッション側のドライブギヤの不良も考えられるので、念のため、車速センサーを外して単体で回してみた。

すると、車速信号が発生しスピードメータが動いた。

本当にミッション側のドライブギヤが不良なのかと思ったが、センサー側のドリブンギヤをよく見ると、ギヤ部が摩耗しているように見える。(写真1・2)

ギヤ部にわざわざこんな曲線をつける必要はないはずである。

車速センサー単体は問題ないので、ドリブンギヤだけ注文することにした。

もしかしたらセンサーとアッセンブリかと思ったが、ドリブンギヤ部だけの部品があった。

入庫した新品と比較すると交換したギヤ部は明らかに摩耗していた。(写真3)

センサーが信号を出力しない場合、センサーの不良も考えられるが、センサーの種類によっては機械的部分の点検も必要である。

《技術相談窓口》

 


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