メータパネル内の「STEERING」ランプが点灯したままになって、ハンドル操作が重くなったという、平成17年式のスバル・サンバー(車輌型式LE-TT2、エンジン型式EN07、走行距離8万km)のトラブル事例を紹介する。
正常であれば、エンジン回転中は消灯しているはずの「STEERING」警告灯が点灯するということは、EPS(電動・パワーステアリング・システム)になんらかの電気的不具合が発生していると考える。
さっそくスキャンツールを接続して調べてみると、DTC「52」(リレー溶着異常)が検出されていた。
サービスマニュアルで調べてみると、図1に示すように電動パワーステアリングのモーターに電流を供給するためのリレーは、ECUに内蔵されているようである。
このシステムの部品構成は、「ECU」と、モーターとトルクセンサとが組み込まれた、「ステアリング・ギヤボックス」のふたつで、あとはその間をむすぶワイヤ・ハーネスの3点である。
仮に、モーターヘ過電流が流れてリレーが溶着したのであれば、それを示すDTCが検出される可能性が考えられるが、それがないので今回はECU不良と判断した。
念のため図2に示すECUの電源が供給されていることと、アース回路に問題がないことを確認したのちに、ECUを交換してトラブルは解消した。
モーターに流れる電流が増大する要因があると、それを制御するリレー接点の焼損・溶着の原因になる訳なので、タイヤの空気圧やボール・ジョイントの点検を欠かさないことも、重要なことと思われる。
同じような故障は続くもので、それから10日後に平成18年式のTT1型サンバーが全く同様の症状を訴えて入庫し、DTCも同じであったので全回と同じ処置をおこなって、完治した。
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