走行中にエンジンが吹き上がらなくなり、20km/h 位しか出なくなることがあるという、平成19年式のホンダ・ストリーム(DBA-RN6、エンジン型式R18A、走行距離20万km)のトラブル事例。
ユーザーの話によると、その不具合が発生した時は、必ずMIL(エンジン警告灯)が点滅しているという。
通常エンジンのセンサー類に故障が発生した時には、MIL が点灯して異常が起きていることをユーザーに知らせるのが一般的であるが、点滅するのはあまり経験がない。
とりあえずスキャンツールを接続して調べてみると、テンポラリコードに「P0301」を検出していた。
これは、1番シリンダーの失火を示すものである。
車が持ち込まれた時点では不具合は発生しておらず、MIL は消灯していた。
しばらく試運転をおこなうと、ユーザーが指摘する不具合が再現し、いくらアクセルペダルを踏んでも、1,500rpmで頭打ちになってしまい、MIL も一定の間隔で点滅している。
DTC も前述同様に「P0301」を表示していた。
点火系の点検からおこなってみると、図1に示すように点火コイルから高電圧がリークしていることが確認できた。
点火プラグも電極の消耗が激しかったので、点火コイルとセットで純正部品に交換すると、不具合は解消した。
MIL が点滅する理由を調べたところ、平成20年10月以降の新型車に設置義務がある、OBD−Uのプログラムの中に決められた「失火検出」が起きた際にはMIL が点滅しなければならないようになっているのだ。(図2参照)
当該車両は平成19年式だから、該当しないと思っていたが、このとき既に先行採用しているようである。
失火は、排気ガス浄化システムに与えるダメージが大きいので、これを防止するためにエンジンの出力を制限するので、最低限度の運転しかできなくなる訳である。
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