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2017年1月
オーバーチャージによる警告灯点灯

エンジン始動後しばらく経つと、「ABS」と「ROOF」の警告灯が点灯するという、平成16年式のダイハツ・コペン(LA-L880K、エンジン型式JB ターボ付き、走行距離10万km)のトラブル事例。

DTC を調べたところ、前述の装置に関して複数の項目の異常を検出していた。

「ROOF」とは、電動式のオープン・トップ装置を示すもののようである。

DTC を記録したのち、一度消去してからエンジンを掛けて様子をうかがうと、数分後に二つの装置の警告灯が点灯した。

それは表に示すようなもので、それらはいずれも電源電圧に関するものである。

電圧が高過ぎる場合か、逆に低過ぎる場合に検出されるものなので、バッテリーの両端子に電圧計を接続して様子をみることにした。

エンジン始動後は、オルタネーターによって発電されているので、14V 位になっているものが、突然18V に達することがあり、その直後に警告灯が点灯した。

電圧計をオシロスコープに換えて測定した様子を図に示す。

ほんの数秒間だけ、電圧が基準値を超えることがあり、その時はエンジン回転が落ち込むことからも、オルタネーターに負荷が掛かっていると判断できる。

この時代の車には、燃費を改善する目的の「充電制御装置」が組み込まれていないので、充電制御はオルタネーター自体が行っており、エンジンECU は介在していない。

オルタネーター内部の、IC レギュレーターの故障と考えられる。

オルタネーターヘの配線の接続状態や、アース・ケーブルに問題がないことを確認してから、リビルト品のオルタネーターと交換すると、トラブルは解消した。

《技術相談窓口》


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