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2019年10月
アイドル回転が高い

ブレーキフルードの交換作業後の試運転時にマスターウォーニングランプをはじめとする様々な警告灯が点灯し、「C1345」(リニア弁オフセット学習未実施)のDTCを出力するという、平成26年式カローラフィールダーハイブリッド(車両型式DAA-NKE165G)のトラブル事例を紹介する。

外部診断機を使用せずに修理書に従ってブレーキフルードの交換作業を行ったのだが、作業後の試運転時に不具合が発生。

外部診断機を持っていたため、リニア弁オフセット学習を行ったのだが、不具合が解消されず、DTCも消去できないという相談。

診断機上では、リニア弁オフセット学習を行うと、その後に「完了しました」と表示されるらしい。

修理書を調べてみたが、「C1345」を検出した場合、リニア弁オフセット学習を行い、その後DTC が検出されなければ不具合ではないと記載されていた。

しかし、今回は学習を行ったにもかかわらずDTCは残ったまま消去できない。

ひょっとすると、外部診断機で学習はできたと表示されているが、実際には診断機が対応できていないのではないかと考え、当会に車を持ち込んでもらうこととした。

まずは再確認のために、持ってきてもらった外部診断機で学習作業を実施してみたが、はやり不具合は解消されなかった。

そこで当会が保有しているG-SCAN2でリニア弁オフセット学習を実施したところ、実施後に診断機器の画面上に、「テストモードに移行させてください」という表示が出た。

指示に従いテストモードに移行させたところ、約2分後にテストが完了し、その後不具合は完全に解消されていた。

修理書を再度じっくりと調べたところ、修理書のDTCに基づくトラブルシュートの項目では、リニア弁オフセット学習を行い、ダイアグノーシスコード消去後にDTCが再出力されなければよいという点検の流れが記載されていた。

しかし、DTCに基づくトラブルシュートの項目ではない「作業サポート」という項目にリニア弁オフセット学習についての説明があり、そこには学習後にテストモードに移行させるよう指示がなされていた。

依頼者が持ち込んだ診断機にもテストモード移行の作業サポートは搭載されていたが、診断機上に指示が出なかったために実施しなかったのである。

本誌2012年8月号及び9月号で30系プリウスのブレーキフルード交換作業について紹介をしているが、その中に「C1345」が検出される場合があるという記載がなされており、30系プリウスの修理書にもリニア弁オフセット学習実施後にテストモードに移行させるよう指示されていた。

今後ますます増えるハイブリッド車で同様の経験をする可能性は高いと思われる。

トヨタ車に関してだが、同様のDTCが検出された場合には本誌を参考に対処してほしい。

《技術相談窓口》


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