2008年8月
従来と違うシステム PART
I |
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【事例1】
平成16年式プロボックス(車両型式NCP51V)で、エアコンコンプレッサーにマグネットクラッチがないがどうなっているのかという問い合わせ。
従来のコンプレッサーは、室内温度等によって、マグネットクラッチをON/OFFさせていたが、この車(AT車のみ)には、冷媒負荷に応じてコンプレッサーの容量を変える「外部制御式連続可変容量コンプレッサー」というものが使われている。(図1)
このコンプレッサーは、常にべルトにより駆動させられており、室内の熱負荷に応じて斜板の傾きを変えることによりピストンストロークを変化させ、吐出容量を変えるというものである。
これにより吐出容量制御幅を広くし、快適性の向上および省動力化をはかっている。
また、コンプレッサーにはロック時のベルト保護のためのリミッタ機構(パワステが急に効かなくなるのを防ぐ)がついている。
このリミッタ機構とは、簡単に言えばコンプレッサーがロックすると樹脂製のプーリーがシャフトからねじ切れるというものである。
図1 |
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よって、エアコンガスが入って無い状態でエアコンを作動させ続けると、オイルが回らずにコンプレッサーがロックする可能性があり、万一、コンプレッサーがロックしてリミッタ機構が働くと、コンプレッサーASSY交換となるので、注意が必要である。
特に、事故修理後などでガス漏れがあった場合は、エアコンガスを入れてから、エアコンを作動させる必要がある。
また、コンデンサーもレシーバと一体となったサブクールコンデンサーというものを採用しており、エアコンガス充填時も泡が消えたからといって、充填が完了したわけではないので注意が必要である。(図2)
図2 |
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サブクールサイクルの冷媒ガス充填上の注意
レシーバーサイクルでは冷媒ガスの泡消え点が冷房能力安定域(棚)の入口にありますが、サブクールサイクルでは泡消え点が冷房能力安定域(棚)の手前にあるため、適正充填量まで100g補充する必要があります。(泡消え点で冷媒ガスの補充を止めると冷房能力が不足気味になります)なお、オーバーチャージも燃費悪化や冷房能力不足となってしまうので適正冷媒ガス量の充填を実施してください。
適用冷媒ガス充填量
冷媒サイクルシステム |
冷媒充填量 |
サブクールサイクル |
360±30g |