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2010年3月
警告灯を制御する回路の点検要領
〈いきなりメーターパネルを外す前に…〉

車検を受検する際に、シートベルト未装着の警告灯が機能しているかどうかを調べるようになって2年近くになるが、当会の予備テスター場を利用する車の中には、これの不備で再検になる事例が散見されるので、具体的原因とその対処方法を紹介する。

平成20年6月発行の当会会報で既に案内したものを参考にしながら、説明を進める。

警告灯が点灯しないということで、いきなりメーターパネルを取り外してしまう場面を見かけるが、球切れかどうかを調べる方法は、バックルスイッチのカプラを外して電圧の有無を測定するか、直接グランドして点灯の有無を調べることである。

その結果で、メーターパネルの脱着の必要性を判断すればよいのである。

球切れが発生していない場合はバックルスイッチがONしていないのが原因な訳だから、シートベルトのバックルを交換すれば直るのだが、限られた時間と予算のなかでなんとかしなければならないという現実もそこにある。

トヨタ車のバックルスイッチを例に説明すると、内部にスライド式の接点回路が組み込まれており、シートベルトの装着と非装着によって回路が切り替わるような仕組みになっている。

警告灯が点灯しなくなる原因は、シートベルトをバックルから取り外した状態の位置で、スイッチが動けなくなるからである。

図1に示すように、バックルの動きをスイッチに伝える部分の一部が欠けてしまって、スイッチはOFF位置のままになってしまう。

これを直すには、欠けた部分を元の形状にすればよい訳だから、ペットボトルのキャップなどを切り取ってくっ付ければよい。

この場合接着剤を使うよりも、ハンダごてを用いるほうが確実である。

こうすることで、受検時は正常に作動するはずである。

しかし、これはあくまでも応急処置なので受検後は部品を交換しなければならない。

図1.バックルスイッチを切り換える部分の破損状態
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